ベンチャーぼんやり考察

ベンチャー界隈の経営、組織について悩んだり考えたりしています。40にして惑ってます。

会社のキャッシュは貯金じゃないよ

かつて経営していた会社は幸運なことにずっと黒字で、利益率の高いビジネスだったこともあり、どんどんキャッシュが増えていきました。キャッシュが増えていくことは会社にとってはとても良いことであり、キャッシュがある限り会社は潰れない。経営者にとって会社を潰さないことが重要だと思うので、キャッシュが増えていく経営というのはとても評価高いんじゃないかなって思います。

でも会社のキャッシュは貯金じゃないんですよ。

高利益率の会社はどんどんキャッシュが増えていき、その数字の動きを見て経営者はニンマリします。「もっとキャッシュを増やすぞ!」と思う。そう思った経営者はどうするかというと「攻め」なくなる傾向があるような気がしてる。

「攻め」とは何か。広告を投下したり、新規事業を始めたり、人を採用したり。総じてコストが発生する。目先は確実にキャッシュが減る。でもそれは将来のリターンを見越した「投資」なんで、いつかは回収する予定。もちろん目論みが外れて失敗することもあり、その時はコストだけ減るけども。

「直近では確実に残高が減って、将来的にも無駄コストになるかもしれない。そんなのキャッシュが減ってしまって嫌だー。既存事業を今いる人員で何とか拡大し、キャッシュを生んでくれ。」と思ってしまいがち。これは完全に「守り」。一つの事業が永遠に成長するならばともかく、サイクルが早い現代においては「攻め」続けないと終わる。

やみくもに使ってもしょうがない。経営者はキャッシュをどのように活かすか。そこに力量が出るような気がしますよね。


ちなみにキャッシュリッチな企業と言えば任天堂ですが「ゲーム、エンタメ系事業は浮き沈みが激しいのでなるべくキャッシュを貯めておく」という話を以前本で読んだ気がします。また冒頭で少し書いた僕がかつていた会社ですが、社長とは「売上がいきなりゼロになっても(新しいサービスが軌道にのるまで)2年は今のコストを払えるくらいは持っておこう」という話をしていました。

まぁいろんな考え方がありますが、お金を活かして、稼ぎたいものです。